お金では買えないプレゼント

あなたが行きつけの小売店から特典をいただくとして、それが「○%OFF」「○円引き」「秘密のプレゼント」ならどれが一番嬉しいだろうか。最近ある化粧品店から、今まで割引で行っていた特典をプレゼントに変えたところ、反応がよくなったという報告をいただいた。
 「○%OFF」という割引は一般的に考えているほど効果は高くない。最近ある飲食業界誌でもそういう実験結果を見た。「五百円OFF」と「15%OFF」ではどちらがお客さんの反応がいいか調査した結果、やはり「500円OFF」の方が良かった。もし金銭的な特典をつけるのであれば、「○%OFF」より「○円引き」の方が往々にして強い。そしてこれが「お金」を離れて「プレゼント」になると、実は更に強くなる。
 更にパワフルなのは「お金で買えないプレゼント」だ。別の化粧品店が以前、主力で取り扱っている化粧品の販売で関東地区の上位に入った時、店主はお客さんへの還元を行った。もっとも感謝セールなどではない。「みなさんのおかげでこれだけの成績が上がりました」という感謝の手紙を送り、成績上位者に送られる一脚数万円のコーヒーカップで一緒にお茶を飲みましょうとお茶会を催したのだ。
「お金ではないこと」で還元したのだが、お客さんから大変喜ばれた。この背景には普段からはぐくんでいるお客さんとの人間関係があるが、もしあなたとお客さんとの間にもそれがあるなら、参考にしていただきたい。
 冒頭の化粧品店もある商品の販売で成績上位になったことでメーカーからいただいたものを、みんなで分けましょうとお客さんに働きかけた上でのプレゼントだった。最も協力なものは、人間関係のある人からもらえるお金では買えないプレゼントなのだ。

(オラクルひと・しくみ研究所)(21999)