言葉の手引き

A5 「栄養士」「美容師」「福祉司」など,資格や職業名につく「士・師・司」の使い分けの問題である。使い分けは,それぞれの漢字のもつ意味の異同に基づく。まず,「士」は「成年の男子」「役人」の意味で,転じて「学問や教養のある人」「事を処理する能力のある人」「さむらい」をいい,称号や職業名につけた。
「楽士・騎士・義士・紳士・闘士・武士・弁士・名士・勇士・力士・烈士」
この用い方に由来して,「士」はまた,国家試験等によって取得する,次のような資格の名称にも用いる。

「栄養士・海技士技術士技能士行政書士・計理士・建築士航空士公認会計士・歯科技術士司法書士・税理士・測量士土地家屋調査士不動産鑑定士・弁護士・弁理士・ボイラー技士・理学療法士
 次に,「師」であるが,これは「多くの人々」「いくさ」の意味があり,「師団」「出師」などの語に用いられている。また,転じて「教え導くもの」をいうようになり,次のように接尾語的に用いられて,技術者や専門家を示す。

「技師・教師・講師・牧師・伝導師・仏師・導師・漁師・猟師・講釈師・人形師・能楽師表具師・宣教師」
このような用い方に由来して,「師」は次のように一定の職業に就く資格の名称に用いられる。

「医師・衛生検査技師・灸師・歯科医師・獣医師・診療エックス線技師・調理師・調律師・鍼師・美容師・薬剤師・理容師・臨床検査技師
 これらも国家試験等で取得できる資格の名称である。その他,訓読語について「占い師・鋳物師・軽業師」などのようにも用いられる。

 最後に「司」であるが,字訓の「つかさ」「つかさどる」は,「役所」や「公の仕事を取り扱う人」を意味し,

「行司・宮司・郡司・国司・祭司・斎院師・造酒司
などの言葉が生まれた。この用い方の延長の職名として,

児童福祉司身体障害者福祉司・精神薄弱者福祉司・保護司」
などがある。いずれも特別の職務の名称であり,前記の「・・・士」「・・・師」とは異なる。これらのうち「・・・福祉司」は地方公務員,「保護司」は法務大臣から委嘱を受けた民間人である。

イマイチ理解できない、頭の中は退化し始めているのか!
ここで言って置くが、「禿」は退化ではない、進化である!
北京原人に「禿」はいない(笑い)