バブル崩壊

順風満帆だった事業に逆風が吹き始めた。

 田中義剛(51)が経営する北海道の「花畑牧場」。07年に発売した生キャラメルが爆発的ヒットを記録し、07年3月期に3億4200万円だった売り上げは、09年3月期は143億1500万円にアップ。田中はTVなどメディアに出まくり、生キャラメルブームが起きた。

 田中は今年に入っても拡大路線を突っ走り、花畑牧場は2月に東京に進出し、渋谷、青山、銀座など8カ所で直営店をオープンさせた。

 ところが、この1カ月ほどの間に竹下通り店、渋谷店、青山店、銀座店(ホエー豚亭)の4店舗が閉店……。事業縮小を余儀なくされている。

 ちなみに10月末で閉店した銀座の裏通りの1階にあった「ホエー豚亭」の店舗は、不動産関係者によると「30坪の物件で家賃は管理費込みで月々150万円ほど。保証金は10カ月分で約1500万円」。晴海通り沿いの2フロアの「花畑牧場カフェ銀座店」は、その何倍もするだろう。

 2箱850円のキャラメルや、1260円のホエー豚しょうが焼き定食を提供して元が取れる家賃でないと思うのだが。

 花畑牧場は8月末には北海道・札幌の生キャラメル工場が閉鎖となり、300人の従業員を“リストラ”したことがマスコミで取り上げられた。

 先日は田中が約14年ぶりにタレント復帰し、ドラマ「新美味しんぼ3」で生キャラメル事業に失敗した男を演じたが、田中流のシャレなのか。もう“生キャラメル番組”は見なくて済みそうだ。

日刊ゲンダイ2009年11月19日掲載)

急激に伸びると、急激に衰退する

何でも、ゆっくりと地に足つけて進むのが一番かな?