招客招福の法則
(こんな記事が)
最近知人達と飲みに行った時のことだ。その中の一人が哺乳瓶の話を始めた。
その品の特徴はカーブを描く形状だ。理由はミルクの哺乳姿勢を母乳姿勢と同じにする為だ。
なかなか面白い発想と思ったが、彼の話はここからが本番だった。
現在日本でこれを製造・販売している会社は、1995年からこの商品を輸入販売していたのだが、品質の向上を求めて、2000年から耐熱ガラス製を中心とした国内生産にスイッチした。
このとき、この哺乳瓶の特殊な形状ゆえに製造先を選定するのに大変な苦労があった。
まず機械による大量生産はできない。
では1本1本手作りするしかないのだが、これも技術が難しく、納得できる取引先はなかなか見つからなかった。
そうしてたどり着いたのが東京下町のあるガラス製作所。
そこにはこの高度な技術とこだわりを持つ職人達がいたのであった。
知人はこれらの物語をとうとうと語った。
我々もその話にだんだんのめり込んだ。
そしてさらに彼が熱くなったのは、この哺乳瓶を洗うために販売されているブラシについてだった。
それは高級ブラシである馬毛を使用したもの。
しなやかながら弾力性が高く、この哺乳瓶の特殊な形状にも合い、カーブや角まできちんと洗える。
頻繁に使っても1年以上の使用が可能でさらには、と、いかにこのブラシが凄いかを語り続けたのである。
これらの語りに一同うなり、もし知人に赤ちゃんが生まれたら、これらをセットでプレゼントしたいと思った。
そして、そのセットには不可欠なものがある。
それはこの彼の熱い語りをまとめた一枚の紙である。
商品が欲しくなるということの本質とそこに不可欠な大切なもの。
それを象徴する出来事だった。