次元が違う
拝啓鳩山様
京都議定書後の温暖化ガス削減の国際的枠組みを検討するCOP15が始まりました。
歴史に残る指導者としてノーベル平和賞も受賞してください。
鳩山首相は次のように演説するべきです。
『私がここで意見を申し上げるに当たって数多くのアドバイス、ご意見をいただきました。多くのスタッフからは「外交は国益をかけた戦いだから日本だけが厳しい義務を背負い込むような約束は決してしないように」
多くの企業からは「厳しい削減目標では規制のゆるい海外への移転も検討しなければなりませんよ」等など。
私はこれらはもっともなご意見だと思いました。
しかし私は今これらの意見とはやや次元の異なる風景が見えております。
私にはこの会場を埋め尽くす10億を越える子供たちの真剣なまなざしを感ぜざるを得ないのです。
この子供たちの前で地球をどの程度痛めつけてよいかの駆け引きを繰り広げることができるでしょうか。
我々は国際会議で産業革命前に比べて2度上昇に抑えるという合意をしたはずです。
拘束力のある決議ではないとかの議論はしたくありません。
2度を越えると取り返しのつかない事態になる可能性が極めて高いから合意したはずです。これは世界の子供たちに恥ずかしくない意志表示です。
我々には2度に抑える事を目標にして進むしか選択肢はないのです。
各国の事情の積み上げで対応を決める余裕はもうないのです。
何をやるかではなくどうやるかを話し合いましょう。
このことはここにおられる賢明で豊かな感受性を持った皆様の共通認識のはずです。
結論は変えられないのです。2度を越えないために何ができるかを話し合いましょう。
具体的提案を行います。
・2020年までに先進国は平均30パーセントの削減を行う。
・2050年までに世界で50パーセント〜80パーセントの削減を行う。
・世界の温暖化ガス排出のピークを2015年を超えないようにする。
・途上国は2010年以内に削減目標を国際合意として示す。
先進国は環境技術移転等支援を相応の(思い切った)規模で行う。
・2012年までに商品(運輸も含む)の排出CO2表示を義務付け,一定以上排出する製品には環境関税を課すことのできる仕組みを作る。
日本はここでどんな合意がなされても、なされなくても25パーセント削減の旗を降ろすことはいたしません。我々を見つめる次世代の子供の視線を裏切ることはできません。
駆け引きで結論を変えることはできないからです。
しかし私は楽観主義者です。
賢明で心優しい人々が力を合わせれば何事も実現できると信じております。
何か世界に偉大な力があるとすれば、懸命に温暖化に立ち向かう私たちを見放すことはないでしょう。
YES WE CAN!』