是非日光へ!

県内5有料道、GW無料化 29日から10日間 知事「県内旅行楽しんで」
(4月23日 05:00)
 東日本大震災の影響で打撃を受けた県内観光地の再生につなげようと、県はゴールデンウイーク(GW)中の4月29日〜5月8日までの10日間、県道路公社が管理する有料道路5路線の通行料金を無料とする。福田富一知事が22日、県庁記者クラブで発表した。県は「とちぎを旅して とちぎに泊まろう」と銘打ち、沿線の自治体や観光協会、業界団体などを挙げてキャンペーンを展開。この期間に5路線で前年並みの100万人を超える観光客を呼び込みたい考えだ。知事は「GWは県内観光地に」と県民に呼び掛けた。

 対象は日光宇都宮道路、宇都宮鹿沼道路(さつきロード)、日塩有料道路のもみじラインと龍王峡ライン、鬼怒川有料道路の5路線で、総延長は64・3キロ。普通車で全線を通行した場合の料金は1600円になる。

 キャンペーンを企画したのは、日光や那須の観光団体が今月相次いで知事を訪ね、「このままでは店を閉めなくては」「想像以上に厳しい」などと苦境を訴えたことがきっかけだった。3月末の県内観光客数は「前年度比で9割減」(県産業労働観光部)という。震災に福島第1原発事故による風評被害が、追い打ちをかけた結果だった。

 対象5路線の通行量は、震災直後の3月19〜21日が前年同期比76%減まで落ち込んだ。4月半ば以降は同15%減まで持ち直したが、完全に回復したとは言い難い状況。福田知事が「観光客が移動しやすいよう環境整備を」と県土整備、産業労働観光両部に指示したのは20日で、トップダウンで無料化が決まった。

 県道路公社にとって、書き入れ時に通行料を無料化するのは初めて。前年同期の通行量からの推計で、期間中は8千万円の料金収入減が見込まれるが、県が補填する予定はない。福田知事は「いっときの収入悪化はやむを得ない」と明言。今回のキャンペーンが継続的な集客につながり、減収をカバーできることに期待をつなぐ。

 期間中の5路線の通行量は、過去3年間の平均が約38万5千台。1台に3人乗車しているとの推計で約115万人が利用したことになる。福田知事は会見で、緊急メッセージとして県民に県内への小旅行を呼びかけた上で、100万人誘客達成で「とちぎの元気につなげたい」としている。