味の箱舟が目指すもの

kaunet2007-11-18



(認定品)八列トウモロコシ



明治23年(1890年)頃、札幌農学校の教師アーサー・A・ブリガムがアメリカから初めて日本に導入した冷涼な気候に適した「北方型フリント種」の初めての商用栽培品種。北海道の開拓の食文化として重要な位置を占めている。現在のスイートコーンのような甘みはないが、独特の香ばしさがある。そのまま焼いて食べるほか、乾燥させていろんな調理法で食べるが、実際に育てたり、食べたりした記憶のある人たちが、年々少なくなっている。また、収穫後2日で硬くなってしまうため、既存の流通では販売しにくい。


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味の箱舟とは


各地方の伝統的かつ固有な在来品種や加工食品、伝統漁法による魚介類などのなかには、このままでは消えてしまうかもしれない、小さなつくり手による希少な食材がたくさんあります。


味の箱舟」(アルカ)プロジェクトとは、こうした食材を世界共通のガイドラインで選定し、プロモーション活動などの支援策によって、その生産や消費を守り、地域における食の多様性を守ろうというもの。大量生産・大量流通のなかで、世界を包み込もうとする「食の均質化」を「大洪水」に、未来の子供たちに残したい味を「箱舟」にたとえています。イタリアでは、すでに500以上の貴重な食材を「味の箱舟」に選定するなどして、取り組みを進めています。

 
 日本でも、2003年に第1回の「味の箱舟」の調査を全国の各協会にお願いしましたが、それから2年間、予算の確保や推進体制づくりなどに手間取り、文字通り“スロー”なスタートになりました。ようやく2005年の4月に、選定を行うための「味の箱舟」学術委員会を開くことができ、2005年12月に日本で初めての「味の箱舟」認定を公表させていただきました。今後も、取り組みをさらに本格化していきます。


 スローフードジャパンでは、「味の箱舟」の生まれる現場をみなさんに肌で感じてもらおうと、現地ツアーをはじめました。主催は、「味の箱舟」候補を推薦する協会です。わが土地こそは「味の箱舟」の宝庫、という協会は、どんどん手を挙げて下さい。


 このツアーは、旬のおいしさを味わい、当地の会員と交流しながら、生産現場を知ろうというもの。普段は口にできない希少な食材を味わえるのは、会員さんだけの特権です。また、各地に広がる協会間での交流を進めるキッカケの1つにもなるかもしれません。普通のツアーでは決して体験できない、味をめでるスローな旅。「味の箱舟」プロジェクトがわからないという会員さんも、ぜひ参加して下さい。


 今後も、「味の箱舟」プロジェクトに関連するいろいろなイベントを考えていきます。ぜひ、日本でも、真のローカリズムの風を吹かせながら、次々と「味の箱舟」を就航させていきましょう!!