味の箱舟

kaunet2007-11-24




   認定品目  花作ダイコン


花作ダイコンは、古来より山形県長井市花作地区を中心に作られていた伝統野菜である。花作の殿様にダイコンの漬物を献上したところ、大変お気に召され、「花作ダイコン」と名付けられたとの言い伝えがある。農家の一番忙しい田植えの時期に貴重な食材として重宝されていた。栽培が難しく収量が少ないが、漬け物にしたときのパリパリとした歯ざわりがおいしい。2003年に、種子を所有していた横澤芳一氏を中心に、「スローフード山形」などのバックアップにより、復活の取り組みをはじめている。地元の作付け希望者を募ったところ希望があり、徐々に栽培が広がっている。
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   味の箱舟とは」


各地方の伝統的かつ固有な在来品種や加工食品、伝統漁法による魚介類などのなかには、このままでは消えてしまうかもしれない、小さなつくり手による希少な食材がたくさんあります。



味の箱舟」(アルカ)プロジェクトとは、こうした食材を世界共通のガイドラインで選定し、プロモーション活動などの支援策によって、その生産や消費を守り、地域における食の多様性を守ろうというもの。大量生産・大量流通のなかで、世界を包み込もうとする「食の均質化」を「大洪水」に、未来の子供たちに残したい味を「箱舟」にたとえています。イタリアでは、すでに500以上の貴重な食材を「味の箱舟」に選定するなどして、取り組みを進めています。

 

 日本でも、2003年に第1回の「味の箱舟」の調査を全国の各協会にお願いしましたが、それから2年間、予算の確保や推進体制づくりなどに手間取り、文字通り“スロー”なスタートになりました。ようやく2005年の4月に、選定を行うための「味の箱舟」学術委員会を開くことができ、2005年12月に日本で初めての「味の箱舟」認定を公表させていただきました。今後も、取り組みをさらに本格化していきます。



 スローフードジャパンでは、「味の箱舟」の生まれる現場をみなさんに肌で感じてもらおうと、現地ツアーをはじめました。主催は、「味の箱舟」候補を推薦する協会です。わが土地こそは「味の箱舟」の宝庫、という協会は、どんどん手を挙げて下さい。



 このツアーは、旬のおいしさを味わい、当地の会員と交流しながら、生産現場を知ろうというもの。普段は口にできない希少な食材を味わえるのは、会員さんだけの特権です。また、各地に広がる協会間での交流を進めるキッカケの1つにもなるかもしれません。普通のツアーでは決して体験できない、味をめでるスローな旅。「味の箱舟」プロジェクトがわからないという会員さんも、ぜひ参加して下さい。



 今後も、「味の箱舟」プロジェクトに関連するいろいろなイベントを考えていきます。ぜひ、日本でも、真のローカリズムの風を吹かせながら、次々と「味の箱舟」を就航させていきましょう!!