切り出し

kaunet2008-01-25



日光の天然氷守れ
地元有志が生産継承

 日光伝統の天然氷の切り出し作業が25日、日光市御幸町の志渡淵川沿いにある生産池で行われた=写真=。氷職人が高齢を理由に引退し、地元有志が受け継いで2年目。昨年は試験的に取り組んだが、今年は県から「氷雪採取業」の営業許可を得て、氷の販売を始める。

 約100年前から3代にわたって氷づくりをしてきた吉新(よしあら)良次さん(70)は一昨年、引退した。氷づくりは12月に岩清水を池に入れることから始まり、その後は寒波で氷が成長するのを待つ。きれいな氷に仕上げるため、雪が降れば除去し、表面のゴミを掃除する。体力的にきつくなった。

 そこで地元有志が「日光天然氷を守ろう」と奮起し、昨年から生産を引き継いだ。芸術家、社寺案内人、大工、花屋などバラエティーに富んだ約30人が参加。吉新さんも「親方」として指導にあたっている。今シーズンは約160トンの氷を生産し、飲食店などに販売する計画で、夏にはかき氷やオンザロックで人々を楽しませることになる。

 25日の作業では、約300平方メートルの池に張った厚さ14センチの氷を、動力カッターで縦80センチ、横45センチの大きさに切り分け、木製の滑り台を使って次々に約10メートル先の氷室に運び込んだ。

 天然氷の生産は、電気冷蔵庫の普及で激減。現在、全国では日光の3か所をはじめ、埼玉・長瀞、長野・軽井沢の計5か所のみという。

(2008年1月26日 読売新聞)


切り出しで体ボロボロです。